「KINIOTO〜くまうさの気になる落とし物〜」

イラストのテーマは「落とし物」

時にみつけた者を惑わす、気になる落とし物、略して、KINIOTO

そして、おかしな世界へと巻き込まれていく、くまとうさぎ…

初めのイラストは、

バス停に座っている2人の前に札束が落ちている絵でした。

なんの気なしに、動物を描いていました。

何となく座っているので、バス停にしました。

2人の目線が同じで、表情が、おののいているような、

驚いているような感じになっていたので、何となく、

目線の先に札束を置いてみたのでした。

何でこんな所にこんな物が？

誰かが落としたのか？はたまた罠か？

この時点では、くまとうさぎは、たまたま居合わせただけの関係。

札束に気が付いたものの、2人はどう行動するのだろうか…？

声をかけ合い、本物かどうか確認するのか

拾って交番に届けるのか

届ける場合、片方に預けたら信用できるのか

だからといって2人で届けるのもどうなのか

はたまた、片方が拾ってダッシュで逃げたりして

早くしないと誰かが現れて持って行かれちゃうかも…

…そんなふうに、いろいろな想像が膨らみはじめ、

「気になる落とし物」と題して他の作品も生まれていったのでした。

次に描いたのは「道端に長ネギ」でした。

たま〜に見かけますよね。

お〜い！落としてるよ～！！と長ネギが叫んでいます。

これは、誰か拾うのでしょうか？

そして、拾ったら、捨てるのか、食べるのかも気になります。

次に描いたイラストは、「電車の長椅子にプチトマト」

これは本当にあったことです。

まあまあ混んでいる電車に乗り込むと、ポツンと空いている席が。

座ろうと思って正面に回り込むと

あら！みずみずしい美味しそうなプチトマトちゃんが鎮座しているではありませんか。

ここに座るなら、このプチトマトを手に取り、どけなければいけないのですが、

手に取った後、どうすればいいのか…

そっとバッグに忍ばせるのか

いや、ブチっといつ潰れるかわからないのに入れられない

手に取って、そっと下に置いてみる…

いや、そんなことをしたら、コロコロ転がって誰かがブチっと踏み潰して、

誰かの服にトマト汁が飛んで大惨事になって、あんたが転がしたからだ！

と怒られそうだし…

放っておいて、誰かが気が付かずに座って、ブチっとしてしまったらどうしよう…

いっそのこと誰かパクッと食べてくれ！

と思ってみてもそんな人は現れるわけはなく、

誰も何もできないまま、プチトマトは鎮座されておりました。

まあまあ混んでいる車両にたった一つ空いている席。

駅に着く度、乗り込んできた人が座ろうとするけれど、

プチトマトに気が付きニヤリとしてその場から離れる。

こんな所にこんな物があったら…

いろいろと考えて描いているうちに、落とし物でもなく、

よくわからないものも登場しはじめ、おかしな世界になっていきました。

くまうさの気になる落とし物

楽しんでいただけましたら幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

イラストレーター　河原ちょっと